音程・音階の表記【メジャーなイタリア式/クラシックのドイツ式/現代の国際式/日本の音楽業界のみの表記もあり】

音楽知識
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高音ボイトレの記事をアップ中に、過去記事の中で音程(音階)の表記に間違いがあり、訂正しました。すみません。

間違ってしまったのには理由があるのですが、今回はその辺りを記事にしてみたいと思います。

主な音階表記

現在使用されている音階の表記は以下のようなものがあります。

  • イタリア式
  • ドイツ式
  • 国際式
  • 日本のみで使われる俗称

音楽の教科書では「イ、ロ、ハ・・」で表す日本式も習いましたが、全く普及していないので除外します。(ハ長調などには使われていますが)

イタリア式

おなじみの「ド、レ、ミ」で表すのがイタリア式です。とても有名ですね。

イタリア式の音階表記

「Do(ド)、Re(レ)、Mi(ミ)、Fa(ファ)、Sol(ソ)、La(ラ)、Si(シ)」です。シャープやフラットの場合、本来は特別な呼び方をするようですが、一般的には「ドシャープ」のように使われます。

また、オクターブの違いを表すことができないので、オクターブをまたがる音程を表記するためには使用されていません。

ドイツ式

ドから「C(ツェー)、D(デー)、E(エー)、F(エフ)、G(ゲー)、A(アー)、H(ハー)」のドイツ語読みで表します。シャープの場合は後ろに「is(イス)」をつけ、フラットの場合は「es(エス)」をつけます。

例えば、ド#だと、「Cis(チス)」、レbだと「Des(デス)」となります。

H(ハー)のフラットのみ少し特殊で「B(ベー)」となります。(2023/7/25 追記・修正)

ドイツ式の音階表記

主にオペラなどのクラシック音楽で使用されており、現代音楽ではあまり使用されていません。オクターブを表す表記もありますが、この記事では割愛します。

国際式

国際的に使われている表記で、元々は英米式です。本サイトの記事も国際式で書いています。

ドから英語読みで「C、D、E、F、G、A、B」です。シャープやフラットはそのまま「#、b」をつけます。

コードの基音にも使用されているので目にしたことがあると思います。

国際式の音階表記

オクターブ表記は文字の後ろに番号をつけます。440Hzのラの場合、「A4」となり、オクターブが上がれば番号を繰り上げ、下がれば番号を繰り下げます。

僕が間違ったところですが、

番号はCからBまでで区切ります。B3のすぐ上のCはC4になります。A4のすぐ下のGはG4です。

日本のみで使われる俗称

これがかなりやっかいです。例えば男性の場合、「hi-A(ハイエー)まで出る?」などと表現したりしませんか。「mid2G(ミッドツージー)までしか出ない」と答えたりします。

オクターブ内の表記は国際式と全く同じで、オクターブの表記を下から「lowlow, low, mid1, mid2, hi, hihi, hihihi, hihihihi」などと表記します。どこかで制定されたものではなく自然発生的な表記方法ですが、日本国内の音楽業界では最も普及しています。midとか英語っぽいんですが、英語圏では存在自体知られていません。(いわゆる和製英語ですね。hiもhighじゃないですし。。)

オクターブの表記は、男性が出しやすい音程をmid1,mid2としており、男性の喚声点を越えたAをhiAとしていると思われます。(女性のことは考えてないんですね)

ややこしいのが、オクターブはAから始まります。mid2Gのすぐ上はhiAです。

国際式と異なるため、僕の国際式での表記ミスにつながってしまいました。

オペラで有名な「high C(ハイシーまたはハイツェー)」を聞いたことがありませんか?

クラシックオペラの曲に使用されている最高音が、男性ならC5、女性ならC6であることが多く、特別に「high C」と呼ばれます。国際的には、high Cは単に最も高いドを意味し、男性と女性でオクターブが異なります。

女性のオペラ歌手に日本独自のhiCを伝えてもC5だとは理解されません。

表記法の比較

ピアノの鍵盤と国際式と日本での俗称の対応を図にしてみました。

音階表記法の比較

オクターブの境界が異なることが分かりますね。

例えば以下の対応になります。

  • G4=mid2G
  • A4=hiA

皆さんは、僕のように間違えないように気をつけください。

 

 

コメント

  1. 通りすがり より:

    ドイツ式のBフラットは一般的にB(ベー)です。ついでに「440HzのラがA4」という記述がありますが、基準音が440ではないケースも一般的と言えるレベルですので、言いたい事は分かりますし正確な表現をするのは難しいところですが、違和感がある事もお伝えしておきます。

    本題ではない細かい部分で申し訳ないですが「不正確な知識に基づいて生まれた日本独自の呼称などにより細かい間違いが発生した」というのが割と根本的な問題であり本記事の本質と思いますので、敢えて指摘させていただきます。

    • リタオリタオ より:

      ドイツ式 Bフラットの記載ミスについて、ご指摘いただきありがとうございます。
      本文中の記載を修正しました。