高音ボイトレ 練習編(裏声の強化、出し方も)

ボイトレ練習
PR

(本ページにはプロモーションが含まれています)

前回の「高音ボイトレ 理論編(ミックスボイス)」では、地声の高音を伸ばしていくミックスボイスとは何なのかを説明しました。

今回は、練習編として、どのような練習が必要なのかを書きたいと思います。

以前の「高音ボイトレ 導入編」の記事で、以下の練習方法の項目のみを紹介しました。

  1. 裏声の強化
  2. ヘッドボイスの発声
  3. ヘッドボイスと地声をつなぐ(ここでミックスボイスが発現)
  4. ミックスボイスを響かせる場所を探る
  5. 地声とミックスボイスの音程移動練習

今回は、まず「1.裏声の強化」を説明したいと思います。

前に戻る 目次 次に進む

声帯の筋トレ

具体的にどうやったらミックスボイスを習得できるか知りたいと思っている方。すぐに知りたいとは思いますが、少し待ってください。

ミックスボイスを実現するためには、まず声帯周辺の筋肉の強化が不可欠です。

はい、ボイトレは声帯の筋トレです。

なぜミックスボイスを習得したいのでしょうか?

そう、高音が出ないからですよね。

その音程で歌ったことないんですよね。

歌ったことのない音程にいきなりチャレンジするんですか?怪我しますよ。

いきなり習得できる人もいるかもしれません。

けど、やはり下準備するべきだと思います。

では、どんな下準備でしょうか?

それは、「裏声の強化」です。ここで言う裏声は息漏れのあるファルセットです。

なぜファルセットなのか

「ファルセットは出るから次を教えて!」と思った方。

駄目です。まだ教えません。

そのファルセットってバラードで使ったり、高音が地声で出ないときにしょうがなく使ってるだけですよね。カラオケ歌ってて何%の時間ファルセットで歌ってますか?1%以下ですよね。

つまり、これからチャレンジする高音は、ほとんど歌っていないのと同じです。音程を司っているのは輪状甲状筋です。あなたの輪状甲状筋はまだ高音を出すことに慣れていません

また、ミックスボイスは喚声点の少し下から使い始めて高音域まで同じ歌い方で歌う必要があります。喚声点より下の音域でファルセットなんて使ってませんよね。

以上のことから、ミックスボイスを習得するための声帯周辺の筋肉(輪状甲状筋)を強化するためには、以下の条件をクリアした発声練習が必要となります。

  • 喚声点より高音域であること
  • 喚声点の少し下から高音域までをカバーしていること
  • 現在歌うことのできる発声であること

これらの条件をクリアする発声は、「ファルセット」です。

ファルセットを鍛えることで、今まで歌ったことのない高音発声時の輪状甲状筋を強化することができます。

また、今までは喚声点を境に地声と裏声を切り替えて発声していました。喚声点付近を同じ発声で歌ったことがないので、喚声点付近のメロディーをスムーズに移動することが難しいんです。これもファルセットを使って筋肉を慣らすことができます。

喚声点より低い音域でファルセットは出るの?と思われた方。

低い音域でもファルセットは出ます

破裂筋類を稼動させないのがファルセットなので、理論的にはどの音域でも出すことは可能です。慣れているかどうかだけです。僕の場合、普通の男性の曲はファルセットで全音域を歌えます。

ファルセットが出ない方

今までファルセットを出したことがない、出そうとしても出ない方もいらっしゃいますよね。

ファルセットはミックスボイス習得に必要なので、ファルセットが出ない方はこの機会になんとかマスターしましょう。

当たり前ですけど皆さん息を吐きながら歌いますよね。

一度、息を吸いながら声を出してみてください。(歌わなくていいです。「あー」と一声出すだけです)

非常に出しづらいですが、何か音が出ますよね。

少し高めの声を出すつもりで、もう一度やってください。これファルセットに似てませんか

息を吸いながら声を出した直後に、その状態のまま普通に(息を吐きながら)声を出してください。多分、喉に力が入らない感じで変な声が出ますよね。それがファルセットです。

ファルセットは披裂筋類をほとんど働かせずに輪状甲状筋だけで出す声です。ファルセットが出せない人は声を出すときに披裂筋類を必ず使ってしまうので、ファルセットを出すことができないんです。

先ほどの喉に力が入らない感じを覚えてファルセットで歌えるようにしましょう。

ファルセットの強化

皆さんファルセットで歌うことができるようになりましたね。

では、具体的にどのような練習をすればファルセットを強化できるのでしょうか。

非常に簡単な方法です。

カラオケや家で、ファルセットのみで歌を歌います

それだけ? はい、それだけです。

すみません。それだけだと荒っぽすぎるので、少し補足します。

  • 普段は出ない高い曲を選曲する(例えばX Japanとか。男性なら女性曲、女性なら男性曲の1オクターブ上とかでもいいです。)
  • 喚声点よりある程度低い音程まではファルセットで出すようにする(男性だとC3C4くらい。女性だとF3F4くらい)
    • すみません。音程表記にミスがあったので訂正しました。
  • 地声は一切出さない。低過ぎる音程はファルセットでは出ないので無視する。
  • 特別大きな音量で発声しなくても良い。大きなファルセットを出すことが目的ではありません。ファルセットは息が漏れているので大きな声で長時間練習すると喉が乾燥し負担がかかるので、気をつけること。

僕がこの練習を行ったとき、あることに気づきました。

喚声点付近で喉に引っかかるんですよ。ファルセットだけで歌ったことなんてなかったので、今まで気づきませんでした。喚声点から離れるとまた普通に出せるんですよね。

その音だけ狙うと出せるんですが、メロディーで歌うと喚声点付近を移動するときに喉に引っかかる感じがしてとても出しにくいんです。

喚声点は地声の限界というだけではなく、ファルセットもうまく出せていませんでした。

ファルセットは元々大きな音量が出ないので、家で曲をかけながら一緒に歌う感じでいいと思います。特に近所迷惑にもなりません。自宅でできるボイストレーニングですね。

無理に大声にしようとすると喉に負担がかかるので気をつけてください。楽に歌ってください。

広範囲の音域でスムーズに音程を移動できるようになるまで続けましょう!

ファルセットで歌えなければミックスボイスも出ません。

前に戻る 目次 次に進む

 

プロが教えてくれる高音ボイトレの教材もありますよ。

コメント