以前、野菜を中心に東京と大阪の違いを書いてみました。
今回は、スーパーで買えるお肉と加工品を中心に書いてみたいと思います。
肉類
当たり前ですが、流通しているもの自体はほとんど変わりません。大阪ではホルモンと呼ばれる内臓系の種類が多いくらいでしょうか。東京では肉専門の商店しか扱っていない部位が、大阪では一般的なスーパーでもたくさん扱われています。
呼び方
スーパーでは豚肉、牛肉は東京と同じように記載されています。
鶏肉は少し呼び方が異なります。若鶏のことを「かしわ」と呼びます。「砂肝」は「砂ずり」です。鶏の心臓は食材のときは「心臓」か「ハツ」とも記載されますが、やきとり屋では必ず「こころ」です。
あと、肉類全般ですが、「挽肉」ではなく「ミンチ」と呼びます。一応、挽肉でも意味は通じます。
また、調理した料理の名前も異なります。
わりと有名ですが料理名に牛とか豚とかつけずに「肉」と記載するものは、必ず「牛肉」です。例えば肉じゃが、肉うどん、青椒肉絲には必ず牛肉しか使われません。豚肉を使う場合、肉ではなく「豚」の言葉が使われます。豚マン、お好み焼きの豚玉とかですね。
全国展開しているチェーン店が大阪の風習を無視した名前のメニューを出しているので、最近は絶対的ではありませんが、個人店だと肉=牛肉です。
出張や旅行で外食するときに参考になればと思います。
関西では牛肉が多い
肉が牛肉を表すことからも関西では牛肉を多く消費します。関東では豚肉を使うことが多いが関西では牛肉メインの料理を挙げてみます。
- カレー:牛肉か鶏肉。豚肉は全く使われない。(カツカレーなどのトッピングは別)
- 肉じゃが、青椒肉絲:牛肉のみ。豚肉は全く使われない。豚肉だと別の料理だと思われる。
- もつ鍋:牛の内臓のみ。東京で白モツと呼ばれる豚のもつは使われない。
- ホルモン焼き(もつ焼き):牛の内臓のみ。関東では豚もつメインですね。僕は豚もつは少し臭いが苦手です(美味しい店は美味しいんですが)。
- 焼肉:牛肉のみ。豚や鶏は扱ってません(全国チェーンは除く)。
- ハンバーグ:少し曖昧ですが、東京よりは牛肉メインだと思います。
- しゃぶしゃぶ、すきやき:東京でも牛肉メインですが、大阪だと牛肉以外は「はぁ??」と、あり得ない勢いです。
最近は東京に住んでることもあり気にならなくなりましたが、大阪に住んでたときに全国チェーンの某有名カレー店で「ベースはポークカレー」って書かれていて「ポークカレーって何?初めて聞いた」と思ったことを記憶しています。
牛すじ
東京に住んでいて困るのが、「牛すじ」の取扱量がとても少ないことです。あと高いですね。ここ数年はスーパーに早い時間に行けば運よくありますが、5年ほど前までは全く売ってませんでした。大阪では牛すじがメジャーで数多くの料理に使用されます。他の部位と同じように普通のスーパーでも常時陳列されています。
- おでんの具材
- カレーの具材
- どて焼き (牛すじとコンニャクや根菜を味噌で煮込んだもの)
- ねぎ焼き (お好み焼きのねぎバージョン)
僕もどて焼きを良く作るんですが、なかなか牛すじを手に入れることができなくて困ってます。通販でも手に入れることができるので、食べてみたい方は一度試されてはどうでしょうか。
→ 音総特製 大阪名物 どて焼き (牛すじ味噌煮込み)を確認する
魚
魚の取り扱いが年々減少してますが、これは全国的なんでしょうかね。僕は魚好きなんで困りますね。あっ、ちゃんと捌けますよ。(捌くと生ごみの臭いに気をつけないといけませんが)
関西のメジャーな魚
関東ではあまり売ってないが、関西では一般的なスーパーでも売ってるメジャーな魚を挙げて見ます。
- ハモ:ハモ鍋や湯引きで食べます。関東では生の状態では見かけませんね。
- フグ:東京でも売ってますが、関西は流通量が格段に多いです。お高いですが。
- ハマチ:出世魚のブリの一つ前です。関東ではブリ刺しが多いですが、関西ではハマチが最もメジャーです。元々同じ魚なので見た目はほとんど変わりませんが、身が引き締まっていて食感が少し違いいます。
- クエ:いつもある訳ではありませんが、鍋の季節によく置いてます。これも高いです。
- アンコウ:東京でもありますが、関西ではもっとメジャーですね。
ふぐ
以前、東京でホームパーティをしたときに「ふぐ尽くしの料理」を振舞ったことがあります。付き出しに「てっぴの煮凝り」、刺身で「てっさ」と「てっぴ」、鍋の「てっちり」、唐揚げはしませんでしたが大好評でした。
そのときは「トラフグの身欠き(みがき)」を本場山口県の下関からお取り寄せしました。身欠きとは販売元がトラフグの皮を剥いてワタを取り、毒抜きまでした状態のことです。身自体は骨付きです。毒を抜いているので、必要な身のカットを行えば、素人でもそのまま調理できます。見た目はこんな感じです。
朝獲れ活締めとらふぐ身欠き(1kgサイズ国産とらふぐ使用)生食可 約650g前後 3~4人前
気になる方は上のリンクを確認してみてください。(国産と表記されていますが、文言を読むとフグ本場の下関産だと推測されます。)
身欠きのほうが安いんですが、見た目が怖いとか(笑)、調理が面倒だという方はカット済みのものもあります。下関産と明記したものを見つけたので、気になる方はどうぞ。
なんと国産トラフグがふるさと納税の返礼品にありました。こちらの記事に書いてますのでチェックしてみてください。
また、かに鍋ホムパもしたことがあり、こちらの記事に書いてます。
きずし
加工品ですが、「きずし(生寿司、生鮨)」というのがあります。関東の「しめ鯖」と同じです。ただし、食べ方が異なります。関東では一般的な刺身と同様にわさびと醤油につけますが、関西では絶対にわさびと醤油につけません。
好みの問題なんでどちらでもいいんですが、子供の頃、醤油につけると親に怒られましたね。大阪のどこの家庭でも同じです。
個人的には、酢で締めているのでワサビをつけてもワサビの味はしません。既に味付けされているので、醤油をつけると出汁の香りがなくなります。なので、何もつけずに食べるのが最も美味しいと思います。関東のしめ鯖も味がついてるので、皆さんも一度何もつけずに食べてみてください。美味しいと思いますよ。
また、「バッテラ」というお寿司も有名です。関東のしめ鯖のお寿司と同じです。こちらも醤油につけません。特にバッテラは薄切りの昆布が上に乗っているので、醤油につけると味が台無しです。
加工品
大阪独特の加工品を紹介したいと思います。
こんにゃく
大阪だけではないと思いますが、「唐辛子入りこんにゃく」を東京では全く見ません。大阪ではメジャーでこんにゃくの中に粉末状の赤唐辛子が入っており、普通に煮物などに使用されます。
唐辛子入りこんにゃくを使用した料理の写真を見つけることができませんでした。写真では唐辛子を入れてますが、唐辛子入りこんにゃくだと別に唐辛子を入れなくても煮物全体に効きそうです。
また、「しらたき」は、しらたきとは一切呼ばず「糸こんにゃく」と呼びます。
同じようなものとして、「マロニー」と「葛きり」もあります。どちらも最近は東京で扱われるようになりましたが、関西では鍋の具材として昔から定番です。マロニーは商品名ですが、葛きりは様々なメーカーのものがスーパーに置かれています。
ポールウインナー
テレビで紹介されたこともあるのでご存知の方もいるかもしれませんが、「ポールウインナー」なるウインナーが大阪では定番です。東京の魚肉ソーセージの立ち位置でしょうか。
出典:http://www.itoham.co.jp/product/dtl/00000057/
子供のおやつやお酒の肴として親しまれています。魚肉ソーセージと違い、原材料が普通のウインナーと同じなので肉々しい味です。加熱せずにそのまま食べます。魚肉ソーセージは淡白でサラダなどで料理の食材として使用されますが、ポールウインナーは単独で食べます。
なぜ東京で売ってないのか不思議です。とても美味しいので売れると思うんですけど。逆に魚肉ソーセージは大阪ではあまり人気がありません。僕も大阪で買ったことは一度もありませんね。
ポールウインナーは要冷蔵品なので、関西旅行のお土産にするときは気をつけてください。
ちょっと調べてみましたが、Amazonでも買えるんですね(笑)。興味がある方は確認してみてください。
出汁巻き
出汁巻きは東京のスーパーでも売ってますが、味が違いますね。東京のは甘いです。東京の卵焼きよりは甘さ控えめ程度ですかね。
大阪の出汁巻きは、砂糖を一切使っていないので、甘さは全くありません。出汁の味だけです。
卵焼きの好みも関東と関西ではかなり違いますね。僕も甘い卵焼きはとても苦手です。好みの問題ですが、甘いのは食べられないレベルです。関東の人が甘いトコロテンを食べられないのと同じなので許してください(笑)。
海苔
関西では味付け海苔がメジャーです。もちろん巻き寿司には味のついていない海苔を使用しますが、それ以外は味付け海苔ですね。朝食のご飯のお供、おにぎり、そーめんのトッピングは味付け海苔です。
コンビニのおにぎりは東京と同じ普通の海苔ですが、家庭で作る時は味付け海苔です。
ソース
関東では「中濃ソース」が主流ですね。「ウスターソース」や「トンカツソース」もスーパーに置いてますが、どの料理にも中濃ソースを使う方が多いと思います。
関西に「中濃ソース」は存在しません。最近は扱っているのかもしれませんが、僕は東京に来て初めて中濃ソースを見ました。
関西では「ウスターソース」、「トンカツソース」を料理によって使い分けます。串カツにはウスターソース、トンカツにはトンカツソースなど。また、お好み焼きや焼きそばなどは専用のソースを使用します。
また、広島のお好み焼きは基本的にどの店舗でも「おたふくソース」を使用していますが、関西ではオリジナルブレンドのソースなので、店舗によって味が異なります。
大阪に存在しない食材
関東では有名だけど、関西には存在しない食材を挙げてみたいと思います。
- 中濃ソース:上に書いたとおりです。
- ちくわぶ:おでんの具材ですが、関西には存在しません。
- めんつゆ:東京でよく見る1Lのめんつゆは売ってません。ソーメンやざる蕎麦用の小さいサイズのつゆくらいしか売ってないですね。うどんや料理には出汁を使います。
- 納豆:一応売ってますが少ないです。初めて見たのは大人になってからですね。
- 鶏レバーとハツ:店によるかもしれませんが、東京ではレバーとハツがくっついたまま売ってますよね。大阪ではその状態で売ってるのを見たことがありません。
それほど思い浮かびませんでした(笑)。
スーパーで驚いたこと
僕が東京に来て、とても驚いたことがあります。
レジで支払いをした後に僕はいつも「ありがとう~」と言います。コンビニでもそれ以外の店でも同じです。一般的な関西の人も同様です。
東京の人は無言ですよね。最初はものすごく怖く感じました。機嫌が悪いのかなと思ったんですが、ほとんどの人が無言です。(言ってる人もいますが、イントネーションから関東以外の人が多いと思います)
一方、食事を終えたときに東京の人は「ご馳走様~」と言いますね。
大阪でも言うんですが、シチュエーションがちょっと違う気がします。
東京では、先払いの券売機のある店を一人で出るとき、周りに店員がいない場合に言ってる気がします。店員がいたり、後払いのレジでは無言の人が多い気がします。
僕の場合、一人で店を出るときにお店の人が近くにいれば声をかけて出ますが、全くいないときは誰も聞いてないので無言で出ます。(できるだけ近くに店員がいるときに席を立つようにしてます)
いつも不思議に思ってます。なぜ東京の人は、「対面のときに無言で、一人で去るときに言葉を残すのか」。ほんとに不思議です。
転職で大阪から東京に引っ越しましたが、地域によっていろいろ違います。転職に興味のある方は、僕の失敗談を参考にしてはいかがでしょうか。
また、記事の中でふるさと納税の返礼品を紹介しましたが、ふるさと納税に興味のある方はこちらの記事にまとめているので、参考にしてください。
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