以前の「リタイア後の収入源」で紹介した投資を深堀りしたいと思います。早期退職に関わらず定年後の老後を安心して過ごすためには資産運用が必要だと思います。
投資にも不動産投資や株式、債権、FXなどの金融投資などいろいろなものがあります。どのような種類の投資があるのか、それぞれどのようなメリット/デメリットがあるのかを説明したいと思います。
投資とは
投資は投資対象を購入または出資し、売却益や配当を利益として得ることを言います。
投資の世界では、売買の差分の売却益を「キャピタルゲイン」と呼び、配当を得ることを「インカムゲイン」と呼びます。
似た言葉で「投機」というものがありますが、投機はテクニックなどを使って瞬間的な儲けの機会を逃さずに利益を上げることをい言います。
一方、投資は将来の成長に期待して資金を投入し、中長期に渡って利益を得ることを言います。
初心者は投資のスタンスで臨むことをおすすめします。投機はテクニックが必要なので投資で利益を上げられるようになってから考えてください。
老後の生活など将来に不安を持っている方は、投資によって自己資金を増やすことができれば余裕のある老後を送ることができす。また、日々の労働に疲れ果てている方も、投資によって自己資金が増えれば生活に余裕ができます。
一度、投資を考えてみてはいかがでしょうか。
投資の種類
さまざまな投資がありますが、代表的なものは以下です。
- 債権
- 株式
- 投資信託
- FX
- 先物
- 不動産
- REIT
具体的にどのようなものなのかをメリット/デメリットを含めて説明します。
債権
債務者である国や企業に資金を提供し債券を買います。国であれば「国債」、企業であれば「社債」と呼ばれます。資金提供を受けた国や企業は債権者に対し利息を支払う義務を負います。
債券は主に証券会社や銀行で購入することができ、特に国債だと潰れる心配がないので預金と同じ感覚で利用できます。国が潰れれば債権の価値がなくなりますが、同時に現金の価値もなくなるので銀行預金と全く同じです。
メリット
- 比較的安全(国債ならば現金と変わらない信用度)
- 銀行金利より高い
デメリット
- 満期まで解約できない
- 他の投資と比べるとリターンが少ない(損失もほぼありませんが)
銀行に預けるよりはいいので安定志向の方にお薦めです。
株式投資
上場している企業の株式を売買することで、売買金額の差を利用して売却益を得る投資です。
また、純粋に投資目的で購入だけ行い、その後は配当を期待することもできます。配当生活で有名な桐谷さんのやり方ですね。桐谷さんも最初は売却益で儲けてから配当生活に移行していると思います。
僕の場合も先日このようなものが届きました。
メリット
- 最もメジャーな投資で情報が豊富にある
- 上場できる信用ある企業に投資するので比較的安全
- 損失もあるが利益も得やすい
デメリット
- 元本保証されない
- 投資するために投資先企業の情報収集や分析力が必要
株式投資は取引方法によって大きく2つに分かれます。
現物取引
額面通りの株式で売買する取引です。純粋に発行されている株を扱うので現物と呼ばれます。
メリット
- 現物なので資産である
- 長期保有ができる
- 価値が下がったとしても投資額を上回る損失は出ない(借金を背負うことはない)
デメリット
- 購入するためには額面通りの自己資金が必要
- 最低購入額(単位株数)が決まっているので、一定以上の自己資金がないと始められない
信用取引
信用取引は実際に証券会社に預けている金額より多くの金額で取引を行います。また信用取引を始めるには現物取引の履歴が必要です。
つまり「今まで現物取引した信用」を以って、証券会社から借金して投資する訳です。
メリット
- レバレッジ(倍率)をかけて取引できる(自己資金の何倍もの取引ができる)
- レバレッジをかけるので売却益(または損失)が大きい
- 小額の自己資金で始めることができる
デメリット
- 損失が大きいと自己資金を上回る損失となる(借金を背負う)
- 反対売買までの期間が指定されている。(例えば買った後に6ヶ月以内に売る必要があるため長期保有できない)
- 証券会社から株を借りるので、手数料以外に貸株料を取られる
注意点
初心者は現物取引をお薦めします。そもそも現物取引の実績がないと信用取引を始めることはできませんが、信用取引は下手をすると借金を背負うことになります。
現物だと値下がりするだけで借金を背負うことはありません。しばらく放置して値を戻すことも期待できます。倒産すれば価値は0になりますが、上場企業なので滅多にあることではありません。どれだけ最悪でも現物では0で止まります。
また、証券会社が仮に倒産した場合、現物取引の株券の所有者は投資した本人なので本人に株券が残ります。しかし信用取引は証券会社から株を借りているので、本人にどれだけ返ってくるのか分かりません。
株式取引は投資の中で最もメジャーなので現物取引の株式投資が初心者にお薦めです。投資先が主に上場している大企業だと安心ですし、書籍やWEB上の情報も溢れるほどあります。
株式投資の投資スタンスについては以下の記事に書いています。
投資信託
投資信託会社が運用する投資信託ファンドに資金を投入して運用することを投資信託と呼びます。
投資したファンドは投資信託会社の運用によって価額が上昇した場合、売却することで利益を得ます。また、運用している株の配当金を受け取ることもあります。
一方、運用がうまく行かない場合、投資したファンドの価額が下がることもあります。下がったときに売却すると当然損失となります。
メリット
- プロが資金を運用するので投資する本人は何もしなくよい
- さまざまな種類のファンドが発売されており、好みのものを選択できる
- 幅広い企業の株式や債券を組み合わせて運用するのでリスク分散されている
デメリット
- 投資信託会社が運用するための手数料を取られる
- 株式投資と同様に値下がりすることもある
リターンとリスクの考えは株式投資と同じです。債券も一緒に運用するタイプだとリスクは軽減されます。実際に運用するのが投資のプロの投資信託会社なので初心者もお手軽に始めることができます。その分、投資のプロに手数料を払う必要があります。
FX
為替を利用した投資をFX(外国為替証拠金取引)と呼びます。
円、ドル、ユーロなどの各国の通貨を売買します。日々変動する為替レートを利用して差額を売却益として得ます。
為替はニュースでも必ず日経平均などと共に毎日報道されているので、皆さんご存知ですよね。為替のレートの変動率は微々たるものです。そのまま取引しても差額がほとんどないので、通常はレバレッジをかけて取引します。
メリット
- レバレッジをかけるので小額から始められる
- 株式の次にメジャーなので情報が多い
- アルゴリズムを使用した自動売買もできる
デメリット
- レバレッジをかけるので自己資金を超える損失もある(借金を背負う)
- 経済以外の要因でレートが大きく変動することがあるのでリスクが高い
テレビCMもたくさん流れていたのでFXはメジャーな投資です。主婦にも一時期とても人気がありました。小額から始めることができ、自動アルゴリズム売買など先進的な取引もできるので趣味として若年層でも人気があります。
リスクは株式の信用取引と同じなので、初めは小額からスタートすることをお薦めします。レバレッジをかけすぎて大きな損失を出した場合でも自己資金で補える範囲で運用してください。
ビットコインなどの仮想通貨も厳密には違いますが、FXと似通ったイメージです。
FXについてはこちらの記事で詳細に説明しています。
先物
先物取引は「将来の決められた期日まで」に「現時点の価格(先物価格)で取引を行う」ことです。
わかりづらいですね(笑)。具体例を挙げます。
- ある商品が今1000円で売られています
- 6ヵ月後に1200円まで値上がりすると期待しました
- その商品を6ヵ月後に1000円で売ってもらうように予約します
- 3ヵ月後に1500円になりました
- まだ期限には早いけど、今売ります
- 売り上げ1500円ー支払い1000円=500円の利益
こういう仕組みです。ただし、以下のようなことも起こります。
- 6ヵ月後に1000円で購入するように予約した
- どんどん値が下がっていく
- 期日の6ヵ月後に700円になった
- 仕方ないので売り上げ700円ー支払い1000円=300円の損失
また、先物には大きく2種類に分かれます。
- 日経225などの株式や債券の金融先物
- 大豆などの穀物や金などの鉱物の商品先物
金融先物は、取引の仕組みは違いますが株式の信用取引とほぼ同じと考えてください。信用度や実際の売買も証券会社を通すのでほぼ同じです。
商品先物は金融先物と全く別物と考えてください。商品先物のメリットとデメリットを説明します。
メリット
- 純粋なリターンやリスクは金融先物と同じ
デメリット
- とにかく怪しい会社が多い
- どれだけ手数料を取られるか分からない(手数料目的で売買を繰り返すように仕向けられる)
- 最悪、詐欺にあう
企業は商品先物でも資産運用しているので、きっちり行えば正当な投資です。
ただし個人相手の場合、とにかく怪しい会社が多いので普通の人は商品先物に手を出しません。投資の電話勧誘も商品先物か不動産です。わざわざ電話勧誘しないと人を集められないことからも怪しさが伝わってきます。
他の投資で実績を上げている人以外は手を出さないのが無難です。
不動産投資
不動産投資は不動産を購入し、値上がりしたときの売却益や賃貸として貸し出して賃料を稼ぎます。不動産を経由しておりすぐに売買できるものではありません。すぐに換金できないので間接投資とも呼ばれます。
(逆にすぐ換金できる投資を金融投資と呼びます。いつでもすぐに売買できる株や債権を使って投資します。)
メリット
- 賃貸にする場合、長期間に渡って安定した収入が得られる
- 資産価値があるので、経済の景気の影響を受けにくい
- 会社員の場合、ローンを組めるので初期費用が抑えられることもある
デメリット
- 初期費用が莫大に必要
- 建物が経年劣化するので修繕費や建替が必要
- 日々の管理が必要
- 賃貸の場合、退去されると急に収入がなくなる
- 詐欺まがいの投資会社もある
不動産投資はかなりの自己資金が必要なので始めることができる人が限られます。また、詐欺まがいの投資話が多いのも特徴です。
手間もかかるので、かなりの上級者向けです。
一方、転勤などで住んでいたマンションをどうしようかと悩んでいる場合は、賃貸に貸し出すことも一つの手です。既に不動産を保有している場合は、売却の前に投資として見直すことも良いと思います。
REIT
日本語で不動産投資信託と呼ばれるものがREITです。Real Estate Investment Trustの略です。
先ほど紹介した不動産投資は現物保有ですが、REITは現物の不動産を保有せずに投資できます。現物を保有するには莫大な資金が必要ですが、REITだと株式や債券のように小額でも始めることができます。証券会社などで扱っています。
不動産投資で必要な現物管理も不要なため、金融投資に分類されます。
投資した資金を元に運用会社が不動産を賃貸などに活用し利益を得ます。投資者は得た利益を分配金として得ることができます。また、購入と売却時の差額による売却益を得ることもできます。
まだまだREITの知名度は低いですが、J-REITでは現在4%程度の利回りとなっているようです。運用会社も上場しているので安心です。
NISA枠もあるので、国として投資の拡大を推し進めている中に含まれます。
メリット
- 小額で始められる
- 現物を売買しないので流動性が高い
- 運用会社の法人税が免除されることもあるため分配金が高い
- 小額で複数不動産に投資できるのでリスク分散が容易
- 株式などに比べて安定している
デメリット
- 一般不動産投資と同じで金利の影響を受けやすい
- 万が一運用会社が倒産した場合、出資が戻ってこない可能性がある
不動産投資に興味はあるけど莫大な資金が捻出できない方にお薦めです。
まとめ
以上紹介したようにさまざまな投資商品があり、特徴やメリット/デメリットを紹介しました。
初心者向けのものや莫大な資金が必要なものなど特徴が異なるので、皆さんの状況に応じて投資先を選んでください。
余裕のある豊かな生活が送れるように投資を始めることをお薦めします。
投資の効果が分かるように想定利回りでの資産増加シミュレーションを以下の記事で行っているので、銀行の定期預金と投資した場合の資産増加の違いを確認してみてください。
「年金とか漠然と将来に不安があるんだけど、投資ってよく分からない」と悩まれている女性の方は、以下の記事で紹介しているマネーセミナーはどうでしょうか?金融商品を売りつけられるのではなく、基本的なお金の知識や、投資、保険の乗換えなどの情報を教えてくれます。
投資などで利益が出た場合は確定申告する必要があります。
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